ラジオとの出会い
俗にいう芸能界という存在にあまり関心のなかった僕にとってテレビのバラエティ番組は子供の頃から苦手だった。多人数でガヤガヤと騒いでいるイメージに馴染めなかったのだと思う。
(ただし小学生の頃、萩本欽一さんは好きで毎週家族と番組を見ていたけども)
対してラジオというメディアは昔から好きで、小学5年の時に担任の先生がFM放送で流れる音楽の素晴らしさを語るのに影響され親に買って貰ったダブルラジカセ(懐かしい)に始まり、その年代年代でラジオを聴いたことは自分の中の記憶の節目となって残っている。
最も長く聴いている局はAM局のラジオ関西(神戸)だろう。特に中学生の頃は僕もアニメにどっぷり浸かっている頃で、アニメ・特撮の話題をメインにした”青春ラジメニア”は中学3年の頃から大阪を離れるまでの大学受験一浪の年まで毎週聴いていた。
※ちなみにこの番組は2016年現在も続いていて、30歳を超えてから再び聴き始め現在に至る。
その後は、各都市に移り住む中でCROSS FM(北九州)ZIP FM(名古屋)AFN(横田?)など、特に意識して聴いたわけでは無かったが、何故か当時の記憶と共に頭の中に残り続けている。
何年かの歳月が経過して大阪に戻ると、しばらくはテレビやラジオとは無縁の生活が続いたが、(何をするにも人より遅い僕が)ようやく車を運転し始めた時にラジオと再会することとなる。
そう云えば僕はラジオが好きだったなと。
久々に聴くラジオはやはり面白かった。しかも車の中という密室で聴くラジオはまた一味違うというか、いやむしろラジオを聴くための特別室と言っても過言ではないと思う。以前にも増してラジオを聴く機会が増え、改めてラジオというメディアの魅力にハマる自分を実感している(だからこそ今この長文を書いている訳だ)。
帰阪後、最初にハマった番組はABCラジオ(大阪)の「全力投球!!妹尾和夫です」だ。男女2人のパーソナリティの掛け合いと番組内の各コーナーでの様々な”仕掛け”が面白かった。後に私の住む街を通る私鉄沿線の各駅構内のアナウンスの声が妹尾さんであることを知った時には驚いた。時代劇の悪役俳優出身でラジオのパーソナリティをする位なので流石に良い声をしている。
ただこの番組は、妹尾さんがちょっと政治的な発言をし始めたなーと思った矢先に番組が終了となり現在は聴くことが出来ない。
FM COCOLO
次にハマったのが現在もメインに聴き続けているFM COCOLO(大阪)だ。この局はまだ歴史は浅いものの”over 45”を標榜していて、つまり放送全体が45歳以上のリスナーが心地よく聴ける様な番組編成となっている。私はまだその年齢には達していないが、少し先輩方の世界に身を寄せる感じがするためか、聴いていて非常に心地よい。
FM COCOLOでのお気に入りの番組は多数に上る。ざっと書き出すと、、
AFTERNOON DELIGHT(メメ)
MARK’E MUSIC MODE(マーキー)
HIRO T’S AMUSIC MORNING(ヒロ 寺平)
PACIFIC OASIS(小谷真美子&カマサミ・コング)
CURIOUS FRIDAY(キヨミ)
君と焚き火とAOR(伊勢正三&池田なみ子)
KANと要のWabi-Sabiナイト(KAN & 根本要)
オーディナリー・ナイト(馬場俊英)
THE BEAT GOES ON SUNDAY(ばんばひろふみ)
THE MAJESTIC SUNDAY(ちわきまゆみ)
NIGHT AND DAY(南佳孝)
スラスラと番組名とパーソナリティの名前が出てくることに自分でも驚くが、一つのラジオ局をここまで聴き込むとは思ってもみなかった。
列記した番組のDJやパーソナリティは見事に僕よりも少し上の世代で、自分にとって心地よく聞こえる理由もそこら辺にあるのだと思う。子供の頃から、どちらかと云えば人の後を付いていくタイプの私にとってはアニキやアネキが喋っているという風で落ち着くのだろう。
知り合いにFM COCOLOのことを話すと”君の年代ならFM802の方だろう”と言われたこともあるが、自分にはこのFM COCOLOこそがツボだと思っている。
上の番組は皆それぞれに特色があってお気に入りなのだが、特にと云われれば、やはり”MARK’E MUSIC MODE”と”KANと要のWabi-Sabiナイト”だろうか。
マーキーさんの喋りは知っている人には全く説明不要だが、一言でいうと”ミスターハイテンション”だろう。とにかく面白い。KANさんと根本要さんの掛け合いは、一言でいうと”雑談”だ。とにかく自然な喋りで寛げる。
要さんの喋りは、これも知っている人には説明不要だがスターダストレビューのライブでも笑いが絶えないMCが素晴らしい。YouTubeでも動画が上がっているので一聴一見をおススメする。
僕個人のこと
話変わって僕の個人的な話をひとつ。これまでの人生で人との接触を半ば避けてきた感のある僕に、再び人恋しいという感情を呼び起こしてくれたのが実はラジオという存在だ。
本コラム冒頭のテレビの話にここで繋がるのだが、基本として不特定多数の人間が参加するテレビのバラエティ番組では一人ひとりの個性や人となりが見えにくいのに対し、基本的にラジオでは一人か二人のパーソナリティがモノローグまたは会話形式で番組を進行する。
またゲストとも直接対峙する形なので、一人ひとりの”顔”がよく”見える”。これは矛盾をはらんだ表現にも聞こえるが事実そうなのだ。パーソナリティとゲストとの間に日頃からの付き合いに基づく信頼関係が無ければ、あの和やかな空気は作れないだろうとも思う。
FM COCOLO以外に、現在もう一つ聴いている局がある。前述のラジオ関西のことだが”青春ラジメニア”はアニメ自体をほとんど見なくなった今も、二人のパーソナリティ(岩崎和夫と南かおり)の掛け合いとゲストとのトークに触れるために毎週欠かさず聴いている。
子供の頃は漠然と聴いていた二人の会話も、大人になりこの歳になって聴くと、随分と円熟した掛け合いだということが理解できるようになった、、と思っている。
ラジメニアの放送の直前に流れていることで聴き始めた”ハイサイ!KOBE”(ひづきようこ)、現在は”ひづきようこの今宵の宴”という番組名に変わっているが、メインのパーソナリティを務める”ひづきようこ”さんの喋りが一聴して癒し系ながら、所々に毒があるところが面白い。
この方は本業は歌手で、自身で曲作りもこなすシンガーソングライターだが、つい最近ライブに行く機会もあったりして目下の所は個人的に一番惚れ込んでいる存在だ。
個人的な話、、から随分長くなったが、そんなラジオの中で生き生きとしている風に見える沢山の人達の姿を垣間聴くにつけ、急速に人との接触が恋しくなったという訳だ。
今は可能な限りあちこちに出かけて行って、これまで躊躇して出来なかったことに首を突っ込んでみようと考えている。自分とは違う人生を歩んでいる全ての方達に子供のように根掘り葉掘り質問したいと思っている。
この歳になり少し遅すぎた感も否めないが、稼業も一つの区切りがつこうとしている今、次の新たなステップを模索する意味でも色々と試してみたいことがある。それは結果が伴ってからいずれ報告するとして、、これから出会う方達には、僕の知らないこと判らないことを優しくご指南頂きたい。宜しくお願いします。
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