仏事のことで日頃から相談に乗って頂いている仏壇屋さんに母と共に訪問した。
いつもの様に高齢のご主人と奥さんが温かく迎え入れてくれた。
今回もやはり仏事の相談で訪れたのだが…
いつものように的確なアドバイスを頂いた。
その道の常識的な判断が分からない親子にとって大変ありがたい存在だ。
その仏壇屋さんを訪れると大概話が長くなる。頼んでもいないことを色々と話してくれる。
しかし…その話というのが、
驚くほどピンポイントに、私が今一番訊きたい内容の話をしてくれる。
まるで全てを見透かしたかの様に。
私の顔に何か書いてあるのだろうか?
”人の世話はほどほどにしときなはれ”
”お金の世話はしたらあきまへん”
”損して得なんかあらへん”
…正にその通りだと思う。
そのご主人も商売の立場上、若い頃に何人もの世話をしてきたらしい。
しかしその見返りは無いどころか、恩を仇で返されることが殆どだという。
”でも義理だけは通さなアカン”
…本当にその通りだと思う。
人格者と呼ばれる人間になる必要は無いと思うが、信義にもとる行為だけはしないと己に誓っている。
”親父の言葉として聞いておきなさい”
ご主人の言葉に涙が出そうになった。