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大都市の緑地公園

December 14th, 2014

1.緑地公園の比較考察

奥深い森の広がる大泉緑地ですが緑地公園としての規模はどの程度なのでしょうか。

他の大都市の緑地公園と比較してみます。

*下図の縮尺は全て同じです。
(東西2.2km×南北1.6km程の領域を表示)

大泉緑地」堺市(大阪府)

大濠公園舞鶴公園(福岡城址)」福岡市

東山公園+東山動植物園」名古屋市

代々木公園明治神宮」東京都

単純に面積比較では次の様になります。
代々木公園≒東山公園>大泉緑地>大濠公園

*東山公園は南の八事(やごと)まで緑地が連なります。

ですが公園単体の規模を比較すると評価は異なり、大泉緑地の規模の大きさが窺えます。

更に、”都心区域からの距離”を考慮することで緑地公園としての”価値”もまた変わってくると思います。

1.「大泉緑地」大阪市外(ただし近郊)
2.「大濠公園」都心部(天神)から至近
3.「東山公園」都心部(名駅・栄)から距離がある
4.「代々木公園」元々は郊外に造られた公園

地図上で比較して驚いたのは「大濠公園」の大きさです。意外と狭いのです。しかし実際に歩いてみると逆にその巨大さに驚きます。おそらく”都市空間”とは真逆の存在の”緑地と水辺の空間”が都心近くにあるというギャップが心理に影響したのでしょう。

あるいは、広大な水辺があることで視界が大きく開け距離感が麻痺したということもあるかもしれません。

2.緑地公園の存在価値

緑地公園自体が”憩いの場”としてオアシスたりうる存在ですが公園周囲に与える影響も大きいのではないでしょうか。

緑地環境が存在することで、土地の投資的な価値が上がります。周囲の建物や道路が整備され町並みが美しく変化していく起爆剤としての役割を果たしていることは間違いないでしょう。

人の本能として暮らしの中に”癒し”を求めるからこそ”緑や水辺”といった場所に人気が集まるのではないでしょうか。

3.大阪都心部の緑地環境

大阪都心部は緑が少ないと云われがちですが”大阪市の行政区域の狭さ”を考慮すると、その評価もまた変わってくると思います。

大阪市の面積は他の大都市と比較して小さいですが、周囲には環境に恵まれた中都市が点在しています。大阪有数の緑地公園「大泉緑地」「服部緑地」などは大阪市外ですが都心から比較的近郊です。

東京の「代々木公園」も、かつては”都の西”に造られ、都心部の拡大と共に都市区域の中に取り込まれてきました。

自論になりますが、大阪の街はもっと広い視野に立って都市設計を見直す必要があるのではないでしょうか。現在の大阪の行政区割りの有り方が、”大阪という街そのもの”の評価を下げる原因になっているように思えてなりません。

-追伸-
この問題は何も緑地環境に限った話ではありません。都市全体の景観(ランドスケープ)を見据えた包括的な住環境の構築や都市再編にまで議論は及ぶでしょう。

それについては本記事タイトルの範疇を超えますので、いずれ別枠にて私論を展開したいと思います。

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