無鄰菴の特徴の一つに、敷地の真中に琵琶湖疏水からの水を引いた大きな池があり、その池を取り囲むようにして雑木林と云ってもよい程の木々が絶妙なバランスで植樹されています。
京都 東山(eos5d2 ef24-105mm f4)
京都 東山(eos5d2 ef24-105mm f4)
明治期の庭でありながらカッチリとした日本庭園という訳ではなく、極限まで日本の里山の自然を再現しつつ、良い意味で緻密に計算された人の手による自然の造形を作り上げています。
京都 東山(eos5d2 ef24-105mm f4)
京都 東山(eos5d2 ef24-105mm f4)
基本としては和風庭園である中で敷地内に洋館が建っている辺りから察するに、この庭の作庭のグランドデザインのどこまでが小川治兵衛によるもので、あるいは山形有朋からの注文がどれ程反映されているのか、興味深いところです。
いずれにしろ、完成した無鄰菴という庭は傑作だと思います。
京都 東山(eos5d2 ef24-105mm f4)
無鄰菴には10年以上前に一度訪れて以来、今回で2回目です。
実は、メゾン松原の建物周囲の植栽の多くは、この無鄰菴の作庭を参考にしています。
・・・と自分のおこがましさに果たしてこの一文を書くのを躊躇いもしたのですが、兎に角も過去10年に渡ってメゾン松原の植栽に大小に渡ってアレンジを施す中で、1つの大きな目標としてきたのがこの無鄰菴なのです。
京都 東山(eos5d2 ef24-105mm f4)
植栽のアレンジの方法に迷っていた当時、何らかのヒントを得ようという意図もあったのでしょう。著名な人物の別荘であり名のある庭師による作庭でありながら、洋の東西に捉われない自由で自然な作庭のデザインに、これだ!と目から鱗が落ちる思いでした。
元々、雑木林風の庭に憧れていたことも手伝って、メゾン松原の周囲(と自宅の庭)の植栽の基本デザインはこれで決まったと確信することができました。
京都 東山(eos5d2 ef24-105mm f4)
それ以後も他の庭園や緑地空間のデザイン等も参考にしつつ植栽アレンジを続けていますが、一番の大元で私に自信を持たせ背中を押してくれた存在として、この無鄰菴は私にとってやはり特別です。
10年という月日が経過して、メゾン松原の植栽もこの無鄰菴の足元ぐらいまでには近づくことができたのでしょうか。
京都 東山(eos5d2 ef24-105mm f4)
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